アスベスト(石綿)は、耐熱性や耐薬品性、耐久性に優れているため、過去には多くの産業や製品に使用されていました。主に以下の場所や製品に使用されてきましたが、健康被害が確認されたため、現在は多くの国で使用が禁止されています。
1. 建築材料
- 断熱材:耐熱性が高いため、壁や天井の断熱材として使用されました。
- 防火材:防火シートや防火壁、スプレータイプの防火被覆材として使われました。
- 屋根材、外壁材:スレート屋根や壁材として、アスベストが含まれる建材が多用されました。
- パイプの保温材:暖房や給水・排水管などの周囲に断熱材として使われました。
2. 工業製品
- ブレーキパッド・クラッチ板:摩擦や熱に強いため、自動車や電車のブレーキやクラッチに使用されていました。
- ガスケットやパッキン:耐熱性・耐薬品性が求められる場所で使われていました。
- 電気機器の絶縁材:耐熱・耐電性を持つため、古い電気製品や配線の絶縁材として使用されました。
3. 家庭用品
- 床材:アスベストを含むビニルタイルなど、フローリング材として使われていたことがあります。
- アイロン台:耐熱性があるため、アイロン台の表面素材として使われた例があります。
4. その他の用途
- 船舶や飛行機の部品:高温にさらされるエンジン部分や断熱材として使用されました。
ただし、アスベストは吸い込むことで肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こすことが判明したため、現在では多くの国で使用が禁止されています。日本でも2006年以降、使用が全面的に禁止されていますが、古い建物や製品にはまだ残っている可能性があるため、解体やリフォーム時には注意が必要です。